俺様王子の初恋
出会い
「 一之瀬さん 」
委員の仕事を押し付けられて
一人で書類の整理をしていた。
そこにひょっこり顔を出した保健医は
私に薬品の入った箱を差し出した。
「 これ、旧校舎の保健室まで
おねがいできるかしら? 」
男子生徒に人気の若い保健医に圧倒されて
つい箱を受け取ってしまった。
書類の整理だってまだ終わってないのに
何で私に押し付けるんだろう。
・・・・なんて、考えなくても答えは出てる。
「 分かりました 」
──────私が、地味だから。
最悪だと思いながらも、私の顔には
笑顔が張り付いていた。