俺様王子の初恋
「 あたしの役目は、転校させること。
葵ちゃんはそのための”道具”よ 」
ちょっとした意地悪の中に含まれた
深く黒い意味に、絶句した。
さすがに先輩も言葉を失っているようで
見開いた目で、先生を見ていた。
「 ここに送り込まれたあたしが、
どんだけの思いしたと思ってるの?
分かってるわよね? 」
「 ・・・悠太は、どうしたんだよ? 」
「 別れろって言われたから、別れた 」
私の上から、ゆっくり下りた先輩は
”それが何?”と先輩を睨む先生の
胸倉を思いっきり掴むと、
──────────────パチンッ、
軽く、頬を叩いた。