俺様王子の初恋
「 もう今日はサボるぞ 」
「 え? 」
「 もう昼だから 」
「 え!? 」
目覚まし時計は運悪く電池切れ。
先輩の携帯画面に映し出された
”12:30”の文字に溜息をつきながら
私はゆっくり起き上がった。
「 これから毎朝迎えに行く 」
「 ・・・ここに、ですか? 」
「 そう。それなら遅刻もしないだろ? 」
”ああ、そっか”なんて納得しながら
コクリ、と頷くと、小さく笑った先輩が
私の手を握って、私をリビングまで
引っ張っていった。
「 ・・・・ここ、私の家ですよね? 」
見慣れた自分の家の廊下を歩きながら
先輩を見上げると、笑いながら頷いた。