俺様王子の初恋
不器用
無事(?)学園祭も終わり、
何事もなく迎えた月曜日。
土日は本当に、疲れた。
「 葵、おはよ 」
「 おはようございます 」
玄関から顔を出すと、
先輩が私を見て笑うから
つられて笑ってしまう。
地味でいようと決めたときから
こんなことは夢のまた夢で、
絶対にありえないと思ってた。
「 行くぞ 」
横に並ぶと、鞄を奪い取られて
そのまま手を握られて、
「 ・・・・・不器用ですね? 」
「 っるせ、黙って掴んでろ 」
相変わらず不器用な彼に
笑いを零しつつ、土日の
出来事を思い出していた。