俺様王子の初恋
「 泰雅先輩・・・ 」
「 なに? 」
「 視線が痛いです 」
校門を通り過ぎても
先輩の手は私の腰に
まわされたまま、
正直歩きにくいけど
嫌ではなくて・・・
「 俺だからな 」
「 意味が分かりませんよ・・・ 」
「 なぁ、葵 」
朝からイチャつくカップルを
今まで何度も見かけてきたけど
私がする側になるなんて
思ってもみなかった。
頭上から降ってきた先輩の
声に顔を上げると、
「 放課後、いつもんとこでな? 」
そう言った先輩が、チュッ、と
私にキスを落とした。