俺様王子の初恋
”大丈夫”と、私が笑顔を
浮かべると、”そっか”と
つまらなそうに頬に空気を
溜めた顔で彼女は再度私を見た。
「 何かあったら、言ってね? 」
綺麗な顔立ちをした彼女は
私の肩をポン、と叩いて
私から離れていった。
触れられたところから、
毒が回るみたいに、熱が帯びて
体内を巡る熱とは逆に、
寒気で震える身体。
──────────おかしい。
気を遣ってくれただけ。
ただそれだけなのに、
私はこんなに、彼女に
恐怖心を抱いている。