俺様王子の初恋
やっぱり、視線が痛い。
穴が開くんじゃないかってほどの
視線が私に向けられている。
「 ・・・なに? 」
「 話そうよっ 」
「 ・・・ 」
これまで生きてきて、こんな
お気楽な人は見たことがない。
木崎さんは、段々明るくなって
いく気がする。
前はもっと大人しかった気がするのに
いつの間にかうるさいほどになっていた。
「 ねぇ、何悩んでたの? 」
「 ・・・いえ、何も・・? 」
可愛いとも、綺麗とも言える容姿。
女の子らしい高い声と言葉遣い。
成績優秀、誰にでも優しい性格。
同学年女子生徒の憧れであり、
一番近しい人なのかもしれない。