俺様王子の初恋
ビリリ、と全身に電流が走ったように
体が跳ね上がって、すぐに視線を
逸らして、ノートに目を落とした。
・・・・・・けど、
「 一之瀬さん、ちょっといい? 」
ノートにできた影は、私のものじゃ
なくて、目の前に来ていた
一条先生のものだった。
教科担任は授業を再開し、一条先生は
私の腕を掴んで立たせると何も言わずに
教室を出て、歩き出した。
「 せん、せい・・・? 」
優しい笑顔も声も、全てが嘘のように
先生の手は冷たかった。
怖くて足が竦むのに、引かれる腕が
立ち止まることを許さなかった。