俺様王子の初恋
「 家のことは関係ないなんて
そんなこと言わないけど、
まず貴方たち二人は似合ってない。
釣り合ってないし、その証拠に
認められてないわよね、生徒に 」
グサリ、と一言一言が
胸に刺さってくる。
気にしていたことをあっさり、
簡単に、こんな形で言われて
”そうだ”と、納得する自分さえいる。
「 そんな二人が、続くと思う?
同い年で公認カップルでさえ
1年続いていい方じゃない?
経験のない二人なんだし、
いつ壊れてもおかしくないわよね 」
グッ、と先生の爪が肌に食い込んできて
痛さに顔をしかめると、先生はふっ、と
鼻で笑った。
「 いつか傷つくくらいなら、
今傷ついておきなさい 」
その一瞬、先生の顔が歪んで
少し苦しそうに見えたのは
気のせいなんだろうか。