俺様王子の初恋






「 泰雅、無駄よ 」






異常に取り乱した俺を
愉しそうに見つめる美夏が
隣のベッドに腰を下ろした。







「 何・・・したんだよ? 」


「 ちょっと特別なクスリを
  吸わせただけよ 」


「 何、して・・・ 」






俺と会った後、何があったんだよ・・・?
葵の肩から手を離して、
美夏を睨むと、ふっ、と小さく笑った。






「 邪魔が仕事なんだから、仕方ないでしょう? 」


「 うるせぇ 」


「 御伽噺じゃあるまいし、キスなんかじゃ
  目は覚まさないわよ? 」


「 うるせぇ、黙れ 」






クスリってことは、時間が経てば
目を覚ますってことか?
それとも何かしないと目覚めない?








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