俺様王子の初恋
「 葵? 」
再度体を離して、先輩を
上から下まで見つめると、
右側の、袖と、色んなところが
赤色に染まっていた。
「 ・・・・これ、何ですか? 」
「 ・・・・ああ・・ 」
「 怪我、してるんですか? 」
シャツを掴んで、先輩を見上げると
先輩が右手を私の目の前に出した。
手の甲に、大きな傷ができていた。
指先もちらほら切れていて、
血が・・・
「 何で、黙ってたんですか!! 」
先輩の手首を掴んで、ベッドから降りると
いつも先生が座っているイスに先輩を
座らせた。