俺様王子の初恋




「 うわ・・・ 」




これは、本当に出るかもしれない。




薄暗い保健室を見渡しながら
無意識に眉を寄せていた。
とりあえず、箱をおいて
古びた大きなソファに座った。




ギシッと音をたてたソファの上に
寝転がって、邪魔なスカートを
少し捲り上げた。




寝たままで書類を整理する。
”整理”って言っても
5枚1組にしてホッチキスで
角をとめるだけの作業。








カチ、カチンッ・・・・────





私が動くたびに、響く音。
私が何もしなければ、音は?






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