俺様王子の初恋
「 ───さん、一之瀬さん♪ 」
「 ・・・んん? 」
肩を揺すられて、寝不足で
重たい体をゆっくり起こす。
「 起きたぁ? 」
目を擦りながら、顔を上げると
さっき教室に来ていた上級生が
怖いほどの笑顔で私を見下ろしていた。
「 ちょっといいかなぁ? 」
周りを見渡すと、誰も居なくて
私を囲んで立っている上級生は5人。
窓の外は薄暗くて、寝起きで頭が
うまく働かない私は何も考えずに
ついていった。
前にも後ろにも上級生。
名前も知らない人たちに
囲まれている。