俺様王子の初恋
屋上に出てから騒ぎ出した
5人組は私をフェンスまで
追いやると、
「 アレ、よろしく♪ 」
黄色パーカーがそう言うと
2人が鍵を片手に校舎の方へ
消えていった。
「 んーっと、とりあえずー
ウチらに謝って!!! 」
何が”とりあえず”なのか、
これが悪い夢ならとっとと
覚めてほしい。
フェンスに背中を預けて
ふふん、と仁王立ちする
上級生を見ていると、
さっきの2人が帰ってきた。
─────バケツとホースを片手に。