俺様王子の初恋
腕は痛くて、膝からは少し
血がでている。
髪から滴る水滴が傷口に沁みて
痛くて仕方なかった。
「 あれっ、まだぁ? 」
”もう一回”と、私はもう一度
頭から大量の水をかけられて
立とうにも立てない状況で
抵抗するのは諦めた。
ただ、唇を噛んで耐えるだけ。
「 ビンタとかはぁ? 」
「 えーっ手痛いし! 」
「 さっき腕殴ったヤツが
言うことじゃないっしょ! 」
再度、屋上に響く高い声と
楽しそうな笑い声。
腕が痛いのは、殴られたからなのか、
なんて、私は一人納得していた。