俺様王子の初恋
「 地味子のくせにさぁ 」
「 きゃっ・・・ 」
軽く肩を蹴られて、体制を崩しつつ
視線を上げると、腕を組んだ上級生が
私を睨みつけていた。
「 一条くんに近づくとか、
調子こいてんじゃねーよ 」
グリグリ足で肩を押されて、痛みと重みに
力を抜いたら倒れそうだった。
唇を噛んでいたら、口の中に血の味が
広がった。
──────ドンッ!
慣れない血の味に顔を歪ませると
更に強く肩を蹴られて、
視界一面が薄暗い空になった。