俺様王子の初恋
「 ・・・葵? 」
涙が、止まらない。
もう怖くなんてないのに
彼が私に触れるだけで
すごく安心する。
急に泣き出した私に
ぎょっ、としながらも
何度も指で私の涙を拭ってくれる。
「 ・・・・・葵、 」
グイッ、と上を向かされて
私の瞼に唇を落としながら
何度も名前を呼ばれた。
───────シャッ・・・・
「 そこ、学校で盛らない! 」
保健医の声が突き刺さって
彼は私に布団をかぶせた。