俺様王子の初恋
「 な、葵 」
「 ?はい 」
「 呼んだよな 」
布団から顔を出した私を
見下ろして、妖しく笑うと
”な?”って首を傾げられた。
「 ・・・え? 」
「 ”助けて、泰雅っ!”て 」
髪を掬われて、毛先を指で遊ばれる。
口元を緩めた彼がチラリ、と私を見た。
一気に顔が熱くなるのを感じた。
掬った髪にキスを落とす彼を
見ていたら更に顔が熱くなって
思わず目を逸らした。
「 い、居たんですか? 」
入ってきたのも、助けてくれたのも
先生だったのに。
なんで私が呼んだことを知ってるんだろう。