俺様王子の初恋




「 な、葵 」


「 ?はい 」


「 呼んだよな 」




布団から顔を出した私を
見下ろして、妖しく笑うと
”な?”って首を傾げられた。




「 ・・・え? 」


「 ”助けて、泰雅っ!”て 」




髪を掬われて、毛先を指で遊ばれる。
口元を緩めた彼がチラリ、と私を見た。
一気に顔が熱くなるのを感じた。




掬った髪にキスを落とす彼を
見ていたら更に顔が熱くなって
思わず目を逸らした。




「 い、居たんですか? 」




入ってきたのも、助けてくれたのも
先生だったのに。
なんで私が呼んだことを知ってるんだろう。





< 98 / 326 >

この作品をシェア

pagetop