俺様王子の初恋
「 居た 」
パッ、と私の髪から手を放すと
その手は私の手を掴んだ。
「 ドア押さえてた奴ら退かしてたら
アイツが入ってったんだよ 」
目の前まで手を持ち上げられて
唇を落とされたかと思ったら
「 痛っ・・・! 」
歯をたてられた。
痛みに顔を歪めると彼は
満足気に笑って噛んだところに
再度キスを落とされた。
「 俺が、行きたかった 」
聞こえるか、聞こえないか。
小さくて、掠れている声で
そう言われて、顔を上げると
彼はボスッ、と私の肩に
顔を埋めた。