太陽の光


消灯の時間になる。

桜は不安げにオレを見つめる。

「大丈夫。眠るまでずっとここにいるよ」

桜が手を伸ばしてくる。

その白く細い腕を握る。

桜の手はかすかに震えていた。

しだいにその震えは収まり、小さな吐息が聞こえてくる。

オレは静かに病室を後にした。

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