C'est la vie!
ピ………ピ………ピ……ピ………
すぐ近くで機械音が聞こえた。
それはさっき聞こえた音よりも速度が遅く、随分頼りなげな音に聞こえた。
「零…零………お願いよ、目を覚まして……」
誰かが零くんを呼んでる。
初めて聞く声だったけれど、その声は優しく……そしてとても悲しそうだった。
「零…あんたが守った女の子は無事よ。だからお願い……目を覚ましてちょうだい……」
その声は必死に問いかけている。
「お兄ちゃん……いつもの調子で『冗談だよ。死体ごっこだよ』って起きてきてよ…お兄ちゃん!」
あたしと同じぐらいの年代の女の子の声も聞こえる。
いつもの調子……
死体ごっこ…?
零くん、家でも不思議くんなんだね。
『結城さん。
今度こそ、結城さんを守るよ』
零くんの声が聞こえた気がして、最後に触れた指先から零くんの温かい温度を感じた。