C'est la vie!


「本棚から本が落ちてきて、それに頭をぶつけたみたい。大丈夫?痛いところない?」


零くんが説明をくれて頭を撫で撫で。


こ、この状況に、だ、大丈夫じゃない!


だって零くん頭撫で撫でだよ!冷静でいられないって。


と、ドキドキするものも、あたしはすぐにはっとなった。


……ヘンリーさんの日記は!?


キョロキョロと辺りを見渡したけど、日記は落ちてなかった。


辺りには本棚から落ちた本が散乱してるから、そのどれかに紛れてるかもしれない。


「いやぁ、君たちに仲間はずれにされたかと思ってちょ~~と意地悪したら、やりすぎてしまったようだ」


クロウさんは申し訳無さそうに片目を閉じて、頭を下げる。


「ってか仲間はずれって…」


と、零くんが白い目でクロウさんを見た。


「だって私の知らないところでアスミと二人きりになってずるい!」


クロウさんは「ずるい、ずるい」と言って頭を振った。


ってかこの人、ホントにあのヘンリーさんと同一人物??


自分の見た夢を疑うのはどうかと思うけど、未だに信じられないよ。


「打ち所が悪かったら死んじゃったんですよ」


と珍しく零くんが声を荒げる。


「そう言っても、もう死んでるじゃないか♪」


HAHAHAHA!


クロウさんは零くんの言葉にちっとも堪えてないように背を逸らして明るく笑った。


「ぇい」


零くんがその胸を押して、


ドタン


クロウさんは後ろにそっくり返った。


「痛いじゃないか!レイ!!」


腰を打ちつけたのだろうか、クロウさんが腰を撫でさすりながら目を吊り上げてむくりと起き上がる。



ホントに……この人がヘンリーさん??




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