C'est la vie!
「モップをいじっていいのは俺だけだ」
零くんは、ふんと鼻を鳴らして腕を組む。
零くん……
「何度も言ってるけど、あたしは零くんの飼い犬じゃないのよ!」
思わず勢い込むと、
「えー…だって結城さん、ずっとそばにいるよって言ってくれたよ?」
と零くんが口を尖らせる。
え―――……
確かに言ったけれど、だってあれは夢で…
第一あたしの姿は零くんに見えないはず。
「俺の夢で。“あたしはずっと零くんのペットだよ”って言ってくれたよ」
言ってない!
「てか夢でしょ!!現実のあたしはそんなこと一言も言ってない!!」
思わず怒鳴ると、
「なんだ。
そう言ってくれたら嬉しかったのにな~
俺も一緒に居たいし」
零くんはまたもつまらなさそうに唇を尖らせると、くるりと背を向けた。