C'est la vie!
★Side Crow★
★Side Crow★
散らばった本の一冊に手を置いて、私は目を細めた。
日記が―――ない。
レイかアスミが持ち去ったか……
「ふ~ん、ま、いいけどね」
と言ってみたものの、
全然良くない!!
あれは“私”の恥ずかしい過去が赤裸々に綴ってある、いわば暴露本だ。
あんな日記をじっくりと最後まで読まれたら…
「ふ、ふふ。フフフフ…ふははは」
最後まで読まれたら、と言うことを考えると壊れて笑い出してしまいそうだ。(←いや、実際笑ってましたよね?)
あの二人に言わせると、私は元々壊れているみたいだが。
まぁ今更、私の人格を分析してもしょうがない。
諦めて私は自身の書斎に引っ込んだ。
革張りの回転椅子に腰掛けて、くるくる回ってみる。
が、一向に良い考えが浮かばない。
再び諦めて、百二十年前にやめたタバコを手にとって一本吸う。
ゆ……ゴーストになってもその味を忘れていなかった。
「はぁ」
あの日記を見つけ出さねば。そんな思いでため息とともに煙を吐いていると、
コンコン…
開いたままになっていたドアをレイが形だけのノックをして、入り口に突っ立っていた。