C'est la vie!
零くんに手を繋がれてドキドキ。
だけど地下トンネルの薄暗くて、いかにも“出そう!”な雰囲気にあたしは違った意味でもドキドキ。
入り口は大きな天井が見えてたけど、進んでみるとどんどん道幅が狭くなって、しかも周りも迫るように狭まっている。
「れ、零くんはさ~、戻ったら何したい?」
あたしは怖いのを紛らわすために、わざと明るい口調で聞いた。
「戻ったら?うーん…」
零くんはあたしの質問に考え込んだ。
『美紗都に会いたい―――』
って言われたらどうしようと思ったけど、
「とりあえず、“寝る”かな?」
零くんは顎に手を置いて真剣。
「寝る!そんなの幽霊だってできるじゃん!ってか零くんぐっすり寝てたじゃん!敢えてそれを選ばなくても…」
「自分のベッドでぐっすり眠りたい。成仏のこととか、生き返る方法とか考えながらじゃなく、
ただ無心で眠りにつけたら」
ただ、無心で―――
「隣にモップが居てくれたら最高なんだけど」
零くんはいつもの調子で軽く笑った。
それって、チワワちゃんのモップ…?
それとも―――……