C'est la vie!
零くんに怒鳴られたのが初めてで、怖いとか悲しいとかよりも、ただ驚きにあたしは身動き取れなかった。
「早く行け。
君を待ってる人が居る」
零くんは洞穴の奥の方を睨むと、やっぱり怖い口調で言ってあたしの背中を押した。
「……何で、あたし一人なの?…零くんも一緒に…」
零くんを振り返ると、零くんはさっきの厳しい表情を緩めて、無理やりといった感じで笑った。
「俺は行けない」
「……何で?」
「俺にはその声も、光も―――
聞こえないし、見えないんだ」