C'est la vie!
結局洞穴探検は終わり。
あたしと零くんは地上に戻り、でもほとんど会話を交わさなかった。
二人とも俯いたまま無言で、お部屋に向かうと、
「アスミ、レイ。二人してどこに行ってたんだい?」
と、またも神出鬼没のクロウさんが部屋の前で腕を組んで待ち伏せていた。
「どこだっていいでしょ」
零くんがそっけなく言って扉を開ける。
「良くない」
とクロウさんが零くんを追いかけたけど、
「別に仲間はずれにしたわけじゃないから、安心してください」
と、扉を勢い良く開いてクロウさんにぶつけた。
「ぶ!」
ドアパンチを食らったクロウさんがみっともなく声を上げて鼻を押さえる。
「すみませんクロウさん、今あなたにかまってられる余裕はないんです」
とあたしもクロウさんの横を素通り。
「どうしたんだい?二人とも暗い顔しちゃって。まさか喧嘩でもした?」
と、何故かわくわく楽しそうな顔でクロウさんが部屋に入ってきて、
「「うるっさい!!」」
あたしと零くんは二人で声を揃えてクロウさんを睨んだ。
クロウさんはびくっとして、
「なんかすみません」
と言ってすごすごと帰って行った。
完全なる八つ当たりというやつだったけれど、
あたしも零くんも今は余計なことを考えていられない状態。
無言でベッドに横たわった。