C'est la vie!



クロウさんはあたしの肩から腕を離すと、またも向かい側に移動していってにっこりと笑みを浮かべた。


あたしは無言でクロウさんを見上げた。


クロウさんは少し寂しそうに、だけど少し安心したように吐息を漏らすと



「やっと気付いたようだね」



とだけ、答えてくれた。




あたしが夢の中と、あの洞穴の中で聞いた光や音は―――





あたしが心の底から生きたいと願ったときだけ―――



見えた。







「アスミにあってレイにないもの。



その強い気持ちだけだ。



それすら手に入れれば、強く願えば―――




君たちは帰れる」







零くんに足りないもの。



それは








生き返りたいと心から願う気持ち―――







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