C'est la vie!



クロウさんと別れて、あたしは慌てて零くんが眠っている部屋まで戻った。


零くんは起きだした気配はなく、目を閉じて心地良さそうに寝息を立てている。


ほ。


良かった。



抜け出したって知ったら、また零くんに怒られちゃうところだった。


あたしは心地良さそうに眠る零くんの寝顔を見下ろして、眉を寄せた。


ねぇ零くん……


どうして生きたいと思わないの?





ミサトさんが居ない世界に意味がないから―――……?




零くんのたった一つの恋。


それが壊れちゃったから、もう戻りたくないって思ってるの?


零くん……



恋は失っても、また新しい恋をすることができるんだよ。


でもね


命を失ったら、もう二度と






現実世界に戻ることはできないんだよ。


零くんの家族や友達とも会えなくなっちゃうんだよ。





そんなの





寂しすぎるよ。







ねぇ





零くん。












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