C'est la vie!



このお屋敷の主、クロウさんは辛い恋をして自ら命を絶った。



クロウさん…


「自分が考えないと意味がない」ってあんな偉そうなこと言って…


自分だって失恋して命を絶っちゃったんじゃない。


それとも零くんにはそんな想いをさせたくないから?―――


だったらあたしが零くんを「生きたい」って思わせればいいじゃない。


そう思ったけど、あたしにできるのだろうか。


ブリトニーさん……ううん、ミサトさんがここに居る限り、きっとそうは思わないはず。


ブリトニーさんが零くんに「生き返って」ってお願いしたら


零くんはその気になるのかな…


分かんないよ……



――――

――


いつの間にか眠りについていたみたいだ。


あたしが目覚めると、隣には零くんの姿がなかった。


零くん!どこ!?


慌てて起き上がると、零くんが寝ていた場所にセラヴィの香水瓶が転がっていた。


「セラヴィ……」


零くんはいつもこれを持ち歩いていたのに、大事にしてたのに、


それを置いていくって…


嫌な予感がして


バンっ!


あたしは勢い良く扉を開けた。


「零くん!?」


部屋を出て叫ぶと、


「おっはよ~♪アスミ~~♪♪」


天井から女の人の顔が逆さに降りてきて、あたしはあまりの驚きに声も出なかった。






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