C'est la vie!



中央棟の出窓―――


目的の場所のちょっと手前で、零くんが出窓に両手をついて空をぼんやりと眺めている姿を目に入れた。


零くん―――!


良かった。


成仏しちゃったわけじゃなかったんだね。


ほっとして思わず肩の力を抜くと、







「結城さんが―――……元の世界…って一体どこだろ?この世??


ま、いいや。とにかく生き返れますように」







零くん……お祈りの仕方もなんか変。


でも―――


あたしのことお願いしてくれてるんだね。


願いが叶うって言うあの出窓から。




あたしなんかのことを―――……


ありがとう、零くん。



「グスン、ひっく」


あたしの背後ですすり泣く声が聞こえてきて、思わず振り返ると


何故かクロウさんがハンカチで目元を押さえながら…えぇっ!号泣!?


「なんて美しい友情なんだ!」


「レイもこっそりお祈りなんてして。昔から変わらず、照れ屋さんなんだから♪」


反対側からにゅっと顔を出した、こっちは幾分かこの状況を楽しんでいるブリトニーさんが茶化すように笑っている。


………


零くん…今はこんな風に噂されてるけど、次の瞬間からこの人たちの苛めのネタにされちゃうよ、きっと。






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