C'est la vie!



それにしても…


『昔から変わらず』…?


「ミ……ブリトニーさん!零くんを昔から知ってるんですか?」


思わずブリトニーさんに勢い込むと、ブリトニーさんは目をぱちぱち。


「さぁ♪私は知ってるかもしれないけど、向こうはどうかしらね~♪」


ブリトニーさんは意味深に笑ってふわりと髪を掻き揚げた。


またもセラヴィの香りが香ってきて、あたしが目をまばたいた。







「ブリトニーさん、あなたやっぱり!」






そう言い掛けたときだ。


あたしの手の中からも同じ香りが―――香ってきた。


思わずその手を見下ろすと、零くんが大切にしていた心臓…もといセラヴィが握られていた。


あたし…無意識に持ってきちゃったんだ…


手の中のボトルを見つめていると、





「結城さん―――…?」





いつの間にかすぐ近くに零くんが立っていて居て、あたしはびっくりしながら振り返った。


「どうしたの?こんなところで…」言いかけて、またもクロウさんを見つけるとムっと顔をしかめる。


「結城さん、ダメじゃん。クロウさんと一緒に居たら。連れていかれちゃう」


昨夜不機嫌そうだった様子から一転、零くんは警戒するようにあたしの手を強く引いた。


セラヴィの香りがふっとなくなって慌てて振り向くと、





やっぱりブリトニーさんは姿を消していた―――








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