C'est la vie!





いっつもいつも思う。


ブリトニーさん…あなたは一体何者なんですか………


何で零くんの前に姿を現さないんですか。



何か理由があるの??


ブリトニーさんも自分の姿を見られると、零くんが帰れなくなるって思ってるから…?




「アスミを連れていきたいのはやまやまだが、私には決まった夫人たちがたくさん居てね~


残念ながら今のところ空席がないんだ」


とまたもフザケタことを言うクロウさん。


いえ、たとえ空席があったとしても遠慮します。


それより…


「零くん、あたしたちが戻れる方法分かったよ!」


あたしはセラヴィを握り締めたまま零くんに向き直った。


「戻れる方法…?」


零くんが僅かに眉をしかめて、


「クロウさん、また結城さんに変なこと吹き込んで連れていこうとしてるんでしょ」


とクロウさんの方を疑うように睨む。


「私が?まさか~」


クロウさんはさも心外だと言わんばかりに、大仰に肩をすくめ、


「ね、零くん。聞いて?」


あたしが零くんとクロウさんの間に割って入るようにして説明しようにも、


「まだしらばっくれるつもりですか!結城さんはあなたが愛した人と同姓同名だからって、


結城さんはその人じゃない!」


「そんなこと分かってるさ。安心したまえ。私にはたくさん夫人が居るからね♪今更新しい妻を迎え入れるつもりはないさ。


…たぶん。…恐らく。…きっと」


クロウさん……


最後の方の台詞、随分自信なげですね。


ってか、クロウさんの戯言はとりあえずおいといて!!





「零くん、違うんだよ!クロウさんは嘘ついてるわけじゃないの!」




零くんはあたしを心配してくれてる。


あたしが戻れるようにお祈りまでしれくれて。





あたしのこと―――考えてくれている。



でも、あたしは零くんと一緒に帰りたいの。




何か言いたそうにしている零くんに、あたしはセラヴィを押し付けた。







< 159 / 194 >

この作品をシェア

pagetop