C'est la vie!
零くんがびっくりしたようにセラヴィを受け取り、目をまばたく。
「これ…置いてきたはずなのに」
「ちゃんとあたしの話を聞いてよ!」
あたしが声を荒げると零くんは再びびっくりして目をぱちぱち。
戸惑っている零くんに、構わず勢い込んだ。
「そりゃ零くんが本気であたしのことを心配して、本気で戻ってほしいって想ってくれてる気持ちは分かるよ!
嬉しいことだよ!
でもあたしは同じだけ、
零くんと一緒に現実に戻りたいと想ってるの!!」
あたしの怒鳴り声に零くんが大きな目を開いて、ゆっくりと目をまばたく。
後ろの方でも…
「あ…アスミがキレた!!」と違った意味で一人クロウさんがわたわた。
それを無視して、あたしは目を吊り上げながらも零くんを見上げた。
「零くんがいくらあの出窓でお祈りしてくれようと、あたしに生き返る気持ちがないと、あたしは元の体に戻れないの!
同じように零くんも強く『生きたい』って願わなきゃ、戻れないんだよ」
「生きたい………って…」
零くんが目を開いたままあたしを見下ろして、だけどすぐ戸惑ったように視線を泳がせる。
「…そう…願ってるよ」
「嘘!だったらあの音も光も―――零くんの耳や目で感じれたはずだよ!
あの音や光が、零くんには見えなかった理由―――それは強い想いだよ!
零くんにはまだ足りてないの。
心から願う気持ちが」