C'est la vie!



シャンデリアの光で思い出した。


「ああっ!」


急に声をあげたあたしに零くんがビクッ。


「どうしたの?何か言い忘れ?」


「ううん!あたし!零くんの大事な心臓……もといセラヴィを割っちゃったんだ!


どうしよう、零くん。ごめんね!


あたし弁償するよ」


今更だけど…


あたしが勢い込むと、零くんは目をぱちぱち。


「何だ、そんなこと……。


ってか弁償なんていいよ」


と笑いながら階段を下りはじめる零くん。あたしも手を引かれて慌てて追った。


「良くないよ……だってあれ……すごく大切にしたじゃない」


「あれはクリスチャン・ラクロワって言うブランドで、ブランド自体もうなくなってる。もう廃盤だし、


どこにも売ってないよ」


ええ!


「ど、どーしよ!!」


ブランド自体が無くなってる!って!!


あたし大変なことしでかしたんじゃ!!



「ってかあれは結城さんが割ったわけじゃないじゃん」


「でも…うまくキャッチできなかったし…」


「気にすることないって。俺にはもう必要ないし」






え―――……?






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