C'est la vie!



――――そもそもあたしは何で死ぬことになったのか、何故好きな人も幽霊なのか、そこから説明します。





街のはずれにある、古い西洋風のお屋敷。


通称、「お化け屋敷」


彼は来る日も、来る日も―――そのお屋敷の三階部分の出窓から外を眺めていた。




春、淡い色をした薄紅色の…桜の花びらが舞い散る中に浮かび上がる切なそうな横顔。


夏、蝉時雨に耳を傾けながらも、どこか寂しそうにしているところとか。


秋はチョコレート色に染まった枯葉を手に掬いながら、どこか物憂げな様子…


そして冬―――



気温がぐんと下がった寒い夕暮れでも、彼は例の出窓に頬杖をついて遠くを眺めている。




ネイビー色の洒落たネクタイに、白いワイシャツ。


あたしの行きたい高校の―――制服だった。




淡い栗色の髪はさらさらしていそうで、肌も白い方。体の線が細くて、柔和な顔立ちをした優しそうな…



かっこいいけど、





何ていうのかな……全体的に色素が薄い…いやいや…





"儚げ”





そう!その言葉がしっくりくる。





何でいつもその場所に居るの?




何を見ているの?



何でそんなに――――哀しそうなの………?







とにかく、元が超怖がりのあたしは遠回りをしてまでこの道を通るようになったのも、
いつしか彼のことが気になって、彼のことを知りたくなったのも




半年ほど前から。






これを好きって言うんだろうな。






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