C'est la vie!
オモチャ!?
あたし“で”遊びたいだとぅ―――!?
あたしは女じゃなく零くんにとっては“おもちゃ”!
――――
――
「ねぇねぇ結城さんて彼氏いるの?」
頬杖を付きながら横向きでふわふわ、あたしの背後で浮かんでいる零くんが突如聞いてきた。
ここは広いダイニングルーム。楕円形の大きなテーブルに、豪華な装飾が施された椅子がいくつも置いてある。
昨日はまったく気付かなかったけれど、明るい日差しに照らし出されたダイニングルームは思いのほか広くて、立派だった。
かつては、きっと―――映画とかに出てくるようなセットみたいに豪華できらびやかだったに違いない。
場違いな場所に、何一つ共通点のないあたしたち三人。
「彼氏なんていません。それよりここから出られる方法三人で考えませんか?」
とあたしは二人をじとっと睨むように目を上げた。
二人は顔を合わせ、同じタイミングで肩をすくめる。
何なの、あんたら。息ぴったりじゃない。
―――実は、今朝起きだしてからも一度…ううんそれこそ何十回も外に出ようと試みた。
だけど、あの大きな扉はあたしたちと外界とを遮断するかのように、ぴしゃりと跳ね除けられる。
つまりは、一歩も外に出られなかったってワケ。
「出てもどうするの?どうせ幽霊なんだし」
と、零くんが腕を組んでテーブルの上で胡坐をかいた。
「ゆ、幽霊だけど……あ、会いたい人たちとか…いないの?」