C'est la vie!
成仏の仕方*マニュアル
だけどクロウさんはすぐに真顔に戻ると、
「それは私にも分からないんだ」
と一言。
はぁ?
じゃあ、何であんな思わせぶりな表情をとったわけよ!?
「まぁまぁアスミ。そう怒らないで。怒るとチャーミングな顔が台無しだよ?」
なんて言ってクロウさんは、あたしの肩を馴れ馴れしく抱いてくる。
あたしはその手を乱暴に払いのけると、床に座って真剣に本を読んでいた零くんに助けを求めるつもりで走り寄った。
零くん…いつになく真剣な顔……
「もしかして、成仏の方法がわかったの?」
そう聞くと、零くんはまたもにっこり。
「ううん♪でも、俺の大好きなマンガだった」
そう言って零くんはマンガを開いて、あたしに見せてくる。
何だ…
あまりに真剣な表情だったからてっきり成仏の方法か、この屋敷を出る方法が分かったかと思ったのに…
でも零くんもマンガなんて読むんだね。
あたしもマンガは大好きだよ♪生きてたら漫画喫茶でデートってのもいいよね♪
って漫喫でデートってのも味気ないか…
なんてもやもや考えて、あたしは零くんの手元にあるマンガを覗きこんだ。
見知ったヒーローがあたしの方を指差し、その吹き出しには
『お前はもう死んでいる』
「そんなこと知ってるよ!!!」
あたしは思わず怒鳴り声を上げた。