C'est la vie!
零くんは―――
あたしのすぐ隣で、しっかりと目を閉じて横になっていた。
背中を丸めるようにしてこっちを向きながら―――眠っている。
あどけない……可愛い寝顔に思わず…
「わぁ♪」
なんて声を上げた。
零くん、寝顔も可愛いんだね♪じゃなくて!
「零くん、こんなところで寝ちゃ風邪引いちゃうよ??」
慌てて零くんを揺さぶろうとして、やめた。
だってあたしたち幽霊だから風邪とかも引かないだろうし。
「レイはアスミをずっと待ってたんだよ。アスミは私が見てるからどこかへ行っててもいいよ、と言ったんだけど、
レイはアスミがマンガを読み終わったとき、また慌てるといけないからだって♪
アスミを不安にさせたくないって♪」
零くんが―――あたしを心配してくれたの?
不安にさせたくない。
そんな気持ちで、あたしがマンガを読んでる間中ずっと待っててくれたの?
零くん……優しいね。
まるで零くんの中身はお砂糖でできるみたいに甘くて、わたがしみたいにふわふわしてて、
そして、とっても優しい―――……
零くん、ありがとね。
何てそっとその穏やかな寝顔を覗き込むと、零くんの手にあの心臓の形をしたボトルが握られていることに気付いた。