C'est la vie!
まるで何かから守るように、しっかりと握られた香水のボトル。
零くんの手のひらで守られて、暖められたボトル―――
それは一体零くんにとって、何を意味するのだろう。
あたしはそっと零くんの顔に手を伸ばした。
あたしがまだ生きてる人間だったら―――きっとこんなことできなかったと思う。
あたしがまだ生きてたら、零くんに触れることなんてなかったと思う。
こんな風に、無防備な寝顔を見つめることができなかった―――
あたしが零くんの髪の先にちょっと触れると、零くんのきれいな形をした額で、さらりと柔らかそうな前髪が滑って、零くんが僅かに身じろぎした。
「美紗都―――……」
―――……!
あたしは手を止めて、思わず目を開いた。
やっぱりミサトさんは実在してたんだ……
ミサトさんは零くんにとって―――どういう人……?