C'est la vie!


だってあれは零くんが凄く大切にしてる香水なんだよ。


ミサトさんとの大事な思い出んだよ。


そんなものを持ち出して、隠すなんて


「クロウさんの方がよっぽど酷いです!」


あたしが声を上げると、クロウさんはびっくりしたように目をまばたき、


そして隣の零くんも驚いたように息を呑んだ。


「アスミ……」


クロウさんがちょっと困ったような、それでいて寂しそうなような複雑な表情であたしを見る。


あたしはそんなクロウさんを精一杯睨みつけていると、零くんの手がそっとあたしの手に重なった。




「結城さん、ありがとう。



でもないものはないから―――



一緒に探しにいこう」





ぐいっ



零くんがあたしの手を引いて駆け出す。




「え!ちょっと…」


零くんに腕を引かれて、あたしも慌ててその後を追った。


さっきちらりと見えた、零くんの横顔。



相変わらず整ったきれいな顔に―――



淡い笑顔が浮かんでいたのは



気のせいかな






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