C'est la vie!



全然女と意識されてない。これっぽっちも。


そりゃミサトさんは美人で大人でおしとやかで、上品で……あの大人な香りが似合うすごく素敵な人だけど……


あたしはあの人の足元に及ばないけど。


だけど零くんに、あんな寂しそうな顔させない―――





あたしはいつだって零くんに笑っていて欲しい。




思えばあたしは幽霊になるまで、零くんの寂しそうな顔しか知らなかった。


その寂しそうな表情もどこか憂いがあって、かっこよかったけど、



今は―――



零くんの明るい笑顔が好き。



そんな想いで零くんを見つめていると、零くんがふっと顔を上げてかすかに微笑んだ。





「結城さん、さっきはありがとう。


あんな風に言ってくれて、俺嬉しかったよ。





でも本当は………



無くなったって知って、ちょっとほっとした自分も居た」





零くんの言葉にあたしは目を開いた。





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