C'est la vie!
零くん―――……
やっぱりまだミサトさんのこと―――すごく、すごく……
あたしはぎゅっと手を握り締めた。
あたしだって零くんを縛り付けるあの香水瓶が見つからなければいい、ってちょっと心の奥底で思った。
だけど…
見つからなかったら、それで諦められるの?
―――そんなに簡単に想いを捨てちゃだめだよ。
「零くん」
あたしは零くんの手を握った。
零くんがちょっと驚いたように目を開いて顔を上げた。
「零くん、探そう!あの心臓を!!大切なものなんでしょう?
諦めちゃだめだよ!」
あたしは零くんが好き。
だけど零くんはまだミサトさんが好きで―――
ミサトさんは零くんと別れた。
想いは一方通行だけど、道が無いわけじゃない。
道は別れるかもしれないけど、どんな道でもゴールに続いているんだよ。
真剣な目でそう訴えると、零くんはちょっと考えるように眉を寄せて…
だけどすぐに
「探そう」
零くんはあたしの大好きな笑顔を浮かべて、あたしの手をとり、走り出した。