C'est la vie!
*あの世とこの世*

心臓探しゲームの意味





「ここにもない!」


何だかよく分からない部屋の古臭い机の引き出しを開けて、あたしは顔をしかめた。


木製の大きくて立派な机と、僅かな本棚が置いてある。


書斎……って呼ぶべきかな。


その部屋の窓からちらりと外を見ると、さっきまで明るかった空が僅かに赤みを帯びていた。


「西日だ。まずいな、タイムリミットが近づいてる」


零くんがいつになく真剣に言って、その書斎の壁に掛かっている古臭いカーテンを引いた。


シャッ


勢いよくカーテンが開いて、ヒビが入った壁にこれまた大きな絵画が現れた。


色がくすんでいるけど、かつては立派な黄金色だったろう額縁は凝った装飾がされていて、その中に色あせた人物像が描かれていた。


人物像は二人。英国風の若い紳士が立っていて、その前の椅子に和服姿の女の人が腰掛けている。


女の人の方の顔は半分が朽ちていて、はっきりとは分からなかったけど、


英国風の紳士は―――……





「これって―――クロウさん!?」






穏やかに微笑みを浮かべ、こちらに笑いかけてる顔は、見慣れたはずの外人ゆ……じゃなくて、ゴーストだった。





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