C'est la vie!
零くんは悲しそうに目を伏せると、ほんの少し自嘲じみて笑った。
「彼女だった」
やっぱり―――……
気付いてたけど知ってしまうと、思った以上に胸がきゅっと締め付けられる。
あたしの心臓は動いていないのに、それでもその不安や緊張を表わすかのように音を立てている気がする。
「それは恋人って言う意味?……」
あたしはおずおずと聞いた。
認めたくない。知りたくなかった。って思いから、まぬけなことを聞いてしまった。
「他にどうゆう意味があるんだよ」
零くんは苦笑い。
「いや…三人称の代名詞で“彼女”とか」
「結城さんて天然??面白いね」
れ、零くんだけには言われたくないわーーー!!
と喚きたいのを堪えているあたしの横で、零くんは静かに口を開いた。
「She was a lover.」
She was a lover.―――訳すと、「彼女は恋人だった」
やっぱり―――