C'est la vie!
零くん―――やっぱり、寂しそうな顔……
ミサトさんは、やっぱり今でも零くんの大切な人で、その人が零くんの心の中にいる限り、
零くんは―――
成仏できない。
「Wow!見つかったか~」
ふいにどこからかクロウさんが楽しげに言って姿を現した。
やっぱりこの人は神出鬼没だ。
クロウさんの出現にもいい加減慣れた。ってのもあるけど、今は零くんの過去を垣間見て、
あたしは顔を上げられなかった。
「見つけたよ。ゲームはクロウさんの負けだね」
零くんはいつもの調子も戻って、ふわふわと笑う。
「残念。アスミとねんねしたかったのに~」とクロウさんは舌打ちして、指を鳴らす。
ねんね……って、この人どこまで本気かどこまで冗談か分からないよ。
「ホントに残念だね。モップは渡さないよ?」
零くんが笑いながらあたしをちょっと引き寄せる。
その繋いだ指先は―――さっきの温度を感じられなかった。
あたしは繋いだ指先と同じだけ冷たくて、卑怯な考えを浮かべていた。
この先零くんがミサトさんを忘れることができなかったら、
零くんは成仏することなく、
あたしの想いも零くんに伝わることなく、
あたしは零くんと永遠に一緒に居られるよね。