C'est la vie!



こんな醜い考えを一瞬でも過ぎらせたあたしは、自分自身が嫌になった。


でも


零くんがミサトさんを忘れて、あたしの方を見てくれる可能性なんて


それこそゼロだよ。


でも、もし例え1%の可能性があれば、それこそあたしは天国に行っちゃうのかな……


想いが通じて、思い残すことは跡形もなくきれいに消えて……





永遠にさよなら





だ。


そんなの悲しすぎるよ…



そんな風にあれこれ考えていたから、あたしはいつも眠くなる時間(…ってか時間なんてはっきり分からないけど、何となく感覚で)


でも一向に眠りはやってこなかった。


古びたベッドに横たわり、体をこちらに向けて零くんは心地良さそうに寝息を立てている。


ベッドサイドにはあの心臓…セラヴィがきちんと置かれていた。


って言うかまた無防備にこんなところに置いて…


またクロウさんに持っていかれちゃうよ?


ちょっと苦笑を漏らして、零くんの寝顔を眺める。





零くんの―――あどけない寝顔。




あたしが寂しくないように、零くんはいつもすぐ近くに居てくれる。





優しい、零くん。




大好きだよ。




だけど、この想いを伝えたら―――……あたしは……





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