C'est la vie!



さながら霊界の大御所登場って感じで、優雅に歩いてくるのは確かめるまでもなくクロウさんだった。


「クロウさん!この人、この女の人、お知り合いですか??この人もやっぱりゆ……ゴーストなんですか!?クロウさんお屋敷には自分しか居ないって言いましたよね」


言いたいこと、聞きたいことを一気に聞いて、あたしは思わずクロウさんに詰め寄った。


「まぁまぁ落ち着きたまえ。興奮すると鼻血が出るよ。って、血液もないか」


HAHAHAHA!


クロウさんは豪快に笑って、あたしは本気でこの人を殴りたくなった。


胸の前で拳を握っていると、さすがにクロウさんもまずいと思ったのか大仰に咳ばらいをして、


「アスミ、このレディーは…」と言ってブリトニーさんを引き寄せた。


ブリトニーさんは引き寄せられて、不思議そうに目をまばたいている。


「このレディは、う゛~~~~~~~~~~~~~~ん」


クロウさんは真剣に悩んで首を捻った。


もういいよ。その反応さっき見たし。


呆れかえって白い目でクロウさんを睨んでいると、


「!」クロウさんは閃いたように目を開く。


ってかその反応もブリトニーさんと全く同じ。もう二人が知り合いじゃないって言う方がおかしいよ。


「私の第二夫人だ♪」


クロウさんはご機嫌に頷いて、ブリトニーさんを引き寄せる。


「………はぁ…」


最早何も返せない。


クロウさんとブリトニーさんは幽霊だけど、ちっとも怖くなくて、だけど変。すっごい変!!


「アスミ、ヤキモチかい??仕方ない。私の第三夫人に迎えようじゃないか♪」


だ・れ・が!!


ヤキモチなんて妬くかぁーーー!!!




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