C'est la vie!
でもこのドキってのは、いつもの嬉しくて高鳴るようなドキドキじゃなくて、
あたしはどうすればいいのか分からなくて、
零くんにどう接していいのか分からなくて。
まさかミサトさんがもう亡くなってると思わなかったから。
だから零くんは―――
適わないと分かっていても、あの窓辺でお願いしてたんだ。
適わないのならせめてこの気持ちだけでも伝わるようにって。
空に居るミサトさんに―――…
そんなの切な過ぎるよ。
「零くんを一人残して成仏しないよ」
あたしが零くんを見上げると、零くんは
「別に成仏してもいいけど、びっくりするから一言言ってね」
一言て……
「言い置きして成仏する幽霊がどこに居る!」
あたしがキッと零くんを睨むと、
「まぁ確かに~。家出の書置きでもあるまいしね」と相変わらずマイペースな零くん。
「ホントのところは寂しいからだけなんだけどね」
零くんはにこっと笑って、またあたしの髪を撫でてきた。
零くん………