C'est la vie!
「分かってるんなら話は早いです」
あたしは腕を組むと、クロウさんを見上げてちょっと目を吊り上げた。
クロウさんはあたしの睨みにもちっとも堪えてない様子で、楽しそうに目を細める。
「怒った顔もチャーミングだけど、可愛い顔が台無しだよ?」
「話しをはぐらかさないでください。
ブリトニーさんはミサトさんなんでしょ!」
あたしが指を突きつけると、クロウさんは目をぱちぱち。
「ミサト―――……?」
口の中でクロウさんが復唱して、目を細める。
一瞬だけ視線が険しくなって、不覚にもあたしはその視線に怯みそうになった。
だけどキっと睨み返すと、
「とぼけたって無駄ですよ!全部知ってるんですから」
そう言ってやった。
「全部知ってるって、何を?」
クロウさんがずいと迫ってきて、口元を歪めて挑発するように淡く笑った。
はじめてみる意地悪な笑顔が―――
きれいな顔に憎らしいほど様になっていて、一瞬ドキリとしてしまった。
一瞬だけ怯んで後ずさりすると、クロウさんはまたも顔を近づけてくる。
「言いたまえ。君は何を知ったんだね?」
「そ……それは……」
何――――……この人…